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留学体験記

ニュージーランドダニーデン教育大学に留学して

宮崎大学教育文化学部 武田 由子
(平成15年度 ニュージーランド・ダニーデン教育大学に留学)

ニュージーランドにおける私の留学生活は、これまでの学生生活の中で私の学びたかったことを最も経験でき充実した一年間でした。

まず、ダニーデン教育大学では、教師になるためのトレーニングシステムがしっかりと整っており、とても効率的ですぐに実践に結びつく授業を受けることができました。また、必修科目は、ニュージーランドの小学校の教育システムについて学ぶもので、日本の教育法とはまた違った、個々の生徒をより重視するような教育法や、それを組み立てるカリキュラムについて学びました。ニュージーランドと日本の教育の大きな違いは、そのゆとりの大きさです。実際に教える内容は日本と同じように決まってはいるものの、一つの単元に関して、ゆっくりと時間をかけて生徒の理解を深めるようなものでした。また、二度にわたる三週間の教育実習を、二つの小学校で経験しました。そこでは、児童個人個人の学習成果に合わせた学習法を用いて、より個人に目をむけた教育が行われていました。その他にも、教師の教育態度や指導法、教師の役割、また意識の違いなど、多くの点を学びました。日本の学校教育にも取り入れられたら良いのでは、と思う点も多くありましたが、その国の教育というのはやはりその国の文化や歴史が関わるもので、それらを考慮した上で、他国の良い点を取り入れていくことが大切だということにも気づきました。

また、ニュージーランド人の中で唯一の日本人としてクラスメートと学生生活を送り、そこで多くの事を学びました。それは、日本では、あまり意識することのない民族観や言葉による壁、意志の違いや価値観の違い、またそれを超えた友情や人としてのつきあいなどを身にしみて感じることができました。ただの観光や短期間の滞在ではきっと経験することができなかったことだと思います。それは、思い出となるのではなく、これからの人生を考える上で、大いに生かしてけるものになると思います。

もちろん大学での生活だけではなく、滞在していた寮での生活は私の留学生活の大部分を占めるものになりました。ニュージーランド人や他の国からの留学生との共同生活で、色々な人たちと交流を深め、彼らの文化や価値観を知り、多くの話をし、かけがえのない友達をつくることができました。

日本の生活はあわただしく、実際のところは一年一年、また会う人会う人が、ただ過ぎていくような感じがします。しかし、この留学での一年は、私にとってなくてはならなかったものでした。大学や寮、友人の紹介などで知る人はもちろん、旅や日常で何気なく知り合った人たちと持てた会話などは、これから先も、私の中で常に残るかけがえのないものになると思います。

初めは、語学や文化、研究のために留学を希望しました。しかし、留学はそれらは基盤として常にあるもので、その上に人として自分自身を成長させるものだと思いました。そして何より、自分自身について考えたり見つめ直したり、自分を知る機会にもなりました。この留学で得たことは、楽しかったことや辛かったこと、簡単に表現できるものではありませんが、私の将来につながる財産です。このことを、これからの将来に大いに生かして行きたいと思います。