宮崎地域留学生交流推進協議会

留学報告 [日本人寄稿]


宮崎公立大学 林田愛里
留学先: ピオラニ・コミュニティカレッジ(アメリカ)

留学報告書

                   

1、 学習面(授業)について 今回の留学で私がとった授業は、ESOL94(英語)、フラダンス、Hawaiian Study等だ。英語の授業では主にライティングを学んだ。クラスには日本人、韓国人、中国人がいて、中には移民としてハワイに来てもう何年も経つという人もおり、そんな彼らとともに学ぶ英語はレベルが高く、とても楽しかった。ネイティブに混ざっての授業参加は、「英語で授業を理解し、ノートをとる」ということに初めは不安を覚えたものの、周りの人がいつでも助けてくれた。特にHawaiian Studyでは英語でハワイ語を理解しないといけないことが多く、授業の内容を理解するのにとても時間がかかったが、テストの時には一緒に勉強するなど、クラスメートがたくさん助けてくれた。どの授業も英語で全てを理解するということに初めは苦労したが、理解できる量が増えていくことがとても楽しかった。

2、 留学生活について 私は、この留学生活で英語の会話力を鍛えるため、とにかく誰かと関わることを意識した。ホームステイでは、ホストマザーの料理を手伝いながらたくさん話をしたし、陽気なホストファザーは、いつでも私の英語力が向上するように協力してくれた。また、地域交流の一つとしてホストファミリーと教会に行った。私自身キリスト教徒というわけではなかったが、異なる文化、宗教観に興味があることを伝えると快く私を仲間に入れてくれた。そこで出会った人々と食事に行ったり、ハワイツアーをしてもらったりと、とても貴重な体験ができたと思う。最後に、積極的に人と関わりたかった私にとって、バス停が重要な場所だった。全く知らない人たちと話をして、互いの文化のこと、日本人をどう思っているかなどを知ることが出来た時間は楽しかった。

3、 その他 ハワイに留学するということは、周りに「日本」がたくさんある毎日になるということだということをとても実感した。学校ではもちろん、観光地はどこでも多くの日本人がいる。お店の人たちも日本語を話せる人が多いし、「英語を話したい」という思いを強く持っていなければ、「日本語」という誘惑に呑まれてしまうだろう。その一方で、日本に興味がある人、日本人に優しい人が多く、留学生もすぐに受け入れてもらえるという点ではハワイはとても生活のしやすい、交流のしやすい地だと思う。歴史や大自然、常に発展する観光経済など、触れることができる題材が豊富なハワイは、知れば知るほど面白い場所だ。

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トビタテ!留学JAPAN 中村有紀子
留学先: 国際家畜研究所(ケニア)

2015年8月から2016年3月まで、ケニアの首都であるナイロビに本拠地を持つ国際家畜研究所(International Livestock Research Institute; ILRI)に留学していました。この留学では2014年から開始した「トビタテ留学JAPAN日本代表プログラム」という奨学金を頂いていました。語学留学や海外の大学への留学に限らず、自由な留学計画を行うことのできる返済不要の奨学金プログラムですので、興味のある方はぜひ参考にしてみて下さい。(http://www.tobitate.mext.go.jp/)

私がこの留学を決意したのには大きく二つの目的がありました。専門性を身に付けること、そして国際研究機関で働くノウハウを得ることです。また、将来の進路について悩んでいる中での留学だったので、この経験を通して何かヒントやきっかけを見つけられたらいいなと思っていました。

ケニアでは主に野生動物(鳥、コウモリ、げっ歯類等)を捕獲し、血液サンプルや糞便サンプル等を採材する活動をしていました。そのスケジュールはなかなか過酷で、鳥を捕まえるために日の出前にサンプリング地に行く必要があったので、遠いところでは朝5時過ぎに出発することもありました。また、コウモリを捕まえるためには日が沈んでからネットを張る必要があったため、日が変わって帰宅する日も多かったです。そんな生活をしていたことで、何度か体調を崩すことがありましたが、それ以上に多くのことを経験することができたと思っています。

私は合計15の地域に出向いてサンプリングをすることができました。これらの地域は、スラムであったり高級住宅地であったり、その様子は様々でした。普通に生活しているだけでは出会うことのない人々と交流することができたのはとてもラッキーだったと思います。そして、疑問に思うこと、日本のプレゼンスの低さを実感することにも多く出会いました。日本国内に留まっていては気づくことのない、他国の人々の日本のイメージについて聞くのはとても興味深かったです。日本人はみんな空手習うんでしょう?日本って中国の島でしょう?などなど。道を歩いていても、中国人として“ニーハオ”、“チンチョンチャン”、“ヘイ、チャイニーズ!”と声を掛けられることばかりで、8ヶ月の滞在中、日本人として話しかけられたのはわずか二回だけでした。日本のことをもっと知ってもらいたい、日本の世界への影響力はこんなものなのか、と悔しい気持ちになりました。 なぜこのような気持ちになってしまうのか、自己嫌悪に陥ることも多かったですが、日本から出なければ、なぜ?と考えるきっかけもなかったのではないかと思います。

 

話が逸れてしまいましたが、結果として、私はこの留学を通して国内外で働くことへの自信、そして次の進路(研究テーマ)を見出すことができました。また、一緒に働いていた仲間と家族のような関係になれたことがとても大きく、これから先ケニアに行けば彼ら家族がいると思うと、世界が少し狭く感じます。国内外関係なく活動できる人材を目指して、これからも勉強していきたいと思います。

最後に、留学を考えている方はみなさん様々な目標を持っていると思います。特に目標はなく、”行ってみたい”、“自分を変えたい”という気持ちで飛び出そうとしている方もいるかもしれません。どんな理由・きっかけも大切です。ぜひ飛び出して行ってください。ただし、単に語学留学で終結するのはすごくもったいないなと思っています。その先の、ご自身の進路(専門性)と海外留学は様々な形でつながっていることを感じていただきたいです。

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宮崎大学教育文化学部 3年 鈴木晴香
留学先: 国立政治大学 (台湾)

2013年9月から2014年8月まで、台湾の国立政治大学の華文中心という語学学校で交換留学をしました。1日3時間の中国語の授業を週に5日受け、中国語の授業のない時間帯には大学の授業を受けたりサークルに行ったり、色々な友人と勉学に励み、遊びや観光も全力で楽しみました。

私がこの留学で一番誇りに思えることは、様々な国の留学生と深い友情を築くことができ、彼らとの交流を通して私自身の考え方が180度変化したことです。政治大学には、国も年齢も全く違う留学生がそれぞれの目標をもって留学に来ています。ほとんどの留学生は一度社会人を経験しているような方たちばかりで、大学生は全体の留学生の4割ほどでした。そのような友人から各国の生活環境、文化や歴史、言語、考え方や宗教、政治経済など多岐に渡るテーマを紹介してもらい、それらについてたくさん議論しました。そして私も他国の友人に日本について紹介する機会がたくさんありました。私自身、留学前には日本についてそれなりに知識を持っていて、日本について紹介できる自信がありましたが、他の留学生と討論すればするほど私の考え方は、まだまだ単純で物事の一面しか捉えておらず、未熟であることを痛感させられました。日本では当たり前と感じていたことが、いい意味でも悪い意味でも世界では通用しないということを初めて身に沁みて感じました。

「相手の文化や考え方を理解し尊重し、お互いに尊敬し合える関係を築くことが、より良い国際関係を築く上で一番大切である。」というような言葉を、誰しも一度は聞いたことがあると思います。私は留学前、この言葉の意味をきちんと理解していて、どんな国の学生ともすぐに友達になれるという自信がありました。実際友達になるだけだったら、何も問題はありませんが、その人たちと深い友情を築き、本当に相手を理解しようとしたら、私の今までの考え方はとても浅はかであったと痛感しました。彼らとの交流によって私のこれまでの考え方は根底から揺るがされ、様々な刺激を受ける中で、私は相手を理解する上で何が正しいのか分からなくなり、自分自身と何度も葛藤しました。相手を理解するために、先述の言葉の意味を正確に理解し的確な行動をすることが、どれほど難しいことか、自分の考え方に自信が持てなくなることが何度もありました。しかし、色んな友達との交流を通して少しずつ、どのように相手と接するべきか、相手を理解するべきか、ヒントをもらったような気がします。

言語学習を通して意思疎通ができるようになることは、国際社会、異文化を理解するためのスタート地点に立っただけです。そこから、その共通言語を用いて、お互いに理解するために歩み寄っていく姿勢と努力が、国際平和、国際理解という課題に対して、正解を模索する長い長い旅の始まりであると思います。「相手を理解するとは何か」、「心から尊敬しあうとは何か」、「理解しあえた後には、どんな光景が広がっているのか」、私自身まだ答えは見つかっていません。

しかし、この留学を通して出会えた最高の仲間と彼らとの友情の絆は、私の最高の財産になりました。これからもずっと、彼らとお互いに学び合い、刺激を与え与えられ続ける関係を維持していきたいです。

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宮崎大学農学部 2年 黒木 結生
留学先: University of Otago Language Center (ニュージーランド)

2014年2月18日から3月24日までの約一ヶ月間、私はニュージーランドのダニーデンという場所にある、オタゴ大学ランゲージセンターに留学していました。初めての海外留学、初めてのホームステイ。何もかも初めてで、とても充実していた一ヶ月間の経験について、少しではありますが紹介したいと思います。

まず、私が勉強になったと感じたのは、留学に向けた準備期間です。留学の経験というのは、留学先での出来事だけではなく、そこへ行くまでの過程も含まれています。パスポートの作成や海外保険への加入、外貨両替や書類の作成などは、英語に関することではありませんが、将来役に立つ経験だと思います。

ニュージーランドで印象に残っているのは、街並みの美しさと自然の多さです。ランゲージセンター周辺には、荘厳なチャーチ (教会) や、観光地とても有名なダニーデン駅などがあり、放課後に周辺を散歩するだけでも楽しめます。少し足を伸ばせは、ガーデンやビーチなどで美しい自然を間近に見ることもできます。ダニーデンには観光地が多く、放課後や土日を利用して行ってみると、とても貴重な体験ができます。ガイドをつけてもらえば英語の勉強にもなり、仲良くなった他国の友達を誘えば英会話の練習にもなります。ランゲージセンターの授業だけではなく、自由時間を活用して、ニュージーランドを楽しみながら英語を学ぶことができました。

一番体験してよかったと思うものは、ホームステイです。私のホストファミリーはマザーとファザー、娘二人、そして中国からの留学生が一人でした。最初の頃はうまく英語が聞き取れず、こちらの英語も伝わらず、コミュニケーションが取れないことでホームシックに陥ることもありました。しかし難しい会話をしなくても、ホストマザーが作ってくれる料理に「very good! (おいしい!)」「I'm happy I could eat your cooking. (あなたの料理を食べられて幸せです)」と言うだけでも、段々と仲良くなっていきました。毎週末はホストファザーと映画を見たり、ドライブに連れて行ってくれたりもしました。そんな毎日がとても楽しく、一ヶ月を終える頃には、帰りたくなくなっていました。最後の日の朝、私の帰国にマザーが涙を流してくれたことが、とても心に残っています。ホストファミリーと良い関係を築くことは、充実した留学にするためにはとても重要なことです。仲良くなることで、自分の英会話のスキルを磨くこともできますし、なにより毎日が楽しくなります。

最後に、今回の留学で身についたと感じるのは、何事にも自分から進んで挑戦する積極性です。日本とは全く異なる環境の海外では、分からないことや、やりたいことがあっても、自分から発言しなくては分かってもらえません。ホストファミリーとの普段の生活でも、欲しいものがあれば、自分から言わなくてはいけません。ランゲージセンターでの授業でも、より英語を身につけようと思うなら、自分の意見・質問をはっきり述べることが重要になります。最初はためらってしまいがちですが、「積極的になろう」と心がけるだけでも、自分の変化を感じることができます。一ヶ月という短い期間でしたが、私は素晴らしい体験と、かけがえのない思い出を得ることができました。少しでも海外に興味がある、という方は、ぜひ行ってみることをお勧めします。そしてこれから留学をするという方は、ぜひ自分から行動することに挑戦してください。それだけで、きっと留学を楽しい思い出にすることができます。

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宮崎大学農学部 2年 黒木 省吾
留学先: University of Otago Language Center (ニュージーランド)

今振り返ると、自分でも驚くような体験をしたと思います。たいした英語力も無く、特に英語に関心を持っていたわけでもありませんでした。家族にも海外で生活した経験がある人はいませんでした。それでも留学を考えたのは、単純に海外に興味があったからです。そんな些細な理由で参加させてもらった一ヶ月間の短期留学ですが、非常に楽しく有意義な体験ができました。今回の報告で、これを読まれた方が日本では決して味わうことができない文化や言語の学習をしたいという気持ちになり、多くの留学希望者が増えて頂けると幸いです。

自分が留学したのは楽しく2012年の8月から9月までの一ヶ月間、ニュージーランドの南の島のダニーデンという街にあるオタゴ大学の言語センターで勉強させていただきました。ここではその時に得たことを伝えようと思います。

まずは、地域によって文化は異なると自分は聞きますが、全くもってその通りでした。夕飯など普通の食事であっても、あまり食卓は使わずにソファーの上で食べました。また、ニュージーランドの季節は冬でしたので薪を割って暖を取ったりし、宮崎では体験できないようなことができました。買い物でも異文化の体験ができました。私たちが何気なく使っている自動販売機やコンビニエンスストアですが、ニュージーランドではあまり見かけませんでした。そもそも、ニュージーランドには日本のような24時間営業という考えがないことが驚きでした。そして、日本のようなレトルトなどの食品はなく、ほとんどが現地の食材を使った手料理を味わうことができました。他には、ニュージーランドに来ていた他の日本の学生の方々はあまり気にしてないようでしたが、私が一番に驚いたのは道路においての歩行者と自動車の関係です。日本では信号が無い横断歩道前に人がいても車はあまり止ろうとはしませんが、ニュージーランドでは真逆で、何があっても止まってくれます。その代わりに、道路を人が横断していても車は速度を落とさず、横断している人に構うことなく通り過ぎようとします。このように、実際に現地で生活をすることで体験できたことがあります。

次に、英語に限らずに全ての言語に共通する勉強法が分かったと思います。それは実際に自分の考えた言葉で「話してみること」だと思います。学校では「読む・書く・聴く」を重要視して教えていますが、それは実際に使えるのでしょうか。聴くということを練習しているのに「話す」ということを練習しないのがもったいなく思えます。話すことができ、他人と意思疎通が出来てこそ勉強した実感が湧くと思います。私も初めはしっかりとは話せませんでした。ただ一言だけ相手に声を掛けると、相手が毎日話し掛けてくれました。だから、私も相手に失礼が無いように積極的にコミュニケーションを取るようになりました。その甲斐もあってか、留学生活後半には現地のお店の人とあまり苦労なく対話が出来るようになりました。日本では英語の教育が盛んで、それなりの学力が皆はあると思います。だから、おかしな英語を話さないようにと考え込んでしまうのでしょうが、初めから正しい英語を話せる人は留学をしないと思います。私はこの一ヶ月で少しばかり発言が積極的になったのではないのかと思います。

最後になりますが、留学をしたくても海外が怖いという人はいるかも知れません。でも安心してください。この留学を通じて、私は初めて東京に行き、初めて空港に入って飛行機に乗り、初めて海外に単身で行きました。経験は体験してみないと味わえません。この一ヶ月で今までの英語の勉強の成果の清算が出来たと思います。この体験記を読んで、留学に興味がある人が一人でも増えれば幸いです。

宮崎公立大学人文学部 4年 杉浦 悠真
留学先: Vancouver Island University ESL Academic Preparation 5

私はカナダのバンクーバーアイランド大学 (以下VIU) のESLクラスへ、2012年8月末~12月末までの約4ヶ月間留学していました。この留学を通して、非常に多くのことを学びました。今回はこの経験から私が得たことを2つ紹介します。

1つ目は、目標を持ち諦めずに続けることの大切さです。ESLの授業では、カナダの作家による短編文学作品や、文献、専門書の読み方選び方、そしてリサーチ・ペーパーの書き方などについて学習していました。クラスが始まった当初、インストラクターやクラスメイトの話す英語や授業内容の理解に追いつかず、クラスのレベルを変更しようと真剣に悩みました。しかし、このESLで学べることすべて、そして最高のレベルのものを学ぶこと目標としていたので、簡単に諦めては悔いが残ると思い直しました。それからは、授業内容の理解のために毎日深夜まで大学で課題を読みこみ、ラーニングセンターを活用して理解を深めました。その結果、無事AP5を修了することができました。

もう1つは、ホストファミリーやVIUの学生、留学生との関わりを通して文化や慣習の違いを経験し、自身の視野と見識を広げることができました。VIUにはカナダを含め中国、サウジアラビア、トルコ、ブラジルやスイスなど様々な国から来た学生が在籍しています。彼等との交流を通して多くのことに気付き、学ぶことが出来ました。例えば、クラスメイトの中国人によく言われたことがあります。その友人には、車で家まで送ってくるなどよく親切にしてもらっていました。そこで日本人としては必ず礼を言いたくなります。しかし、私がよく、ありがとうと礼を言うと、「ありがとう、なんて言う必要ないよ。友達なのだから当たり前ことじゃないか。」と言われました。ちょっとした考えの違いですが、とても印象に残っています。

留学中に気を付けるべきことは、自分の留学する目的と目標を忘れないことです。海外留学と言え、留学先には必ず日本人がいます。ですので、留学先でも日本人留学生同士で集まり、日本人同士で日本語ばかり話す人やグループに、必ず遭遇することになります。こんなことをしていては留学をしにきた意味がありませんし、何より自分のモチベーションを削ぐことになります。私の場合、ESL内で日本人同士と話すときはできる限り英語で会話するようにしていました。海外に行ってまで日本語で話す必要はありません。しかし、学部や院所属の日本人留学生の友人を作っておくことは大切だと思います。私はその日本人留学生の友人から勉強や生活面でのアドバイスや、学部のカナダ人や留学生を紹介してもらっていました。現地の大学へ通っている日本人留学生は留学における先輩です。彼らから教えてもらえることは、留学生活をより良いものにする上で非常にプラスになります。

私が留学生活から得た経験はかけがえのないものばかりです。そして、この留学は宮崎公立大学や多くの人の支えがあってこそ成り立ちました。そのことに心から感謝しています。最後に、この留学報告が留学を考えている皆さんの後押しになれば幸いです。

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宮崎大学教育文化学部 4年 宮嶋 トナミ
留学先: 順天大学校 (韓国)

私は宮崎大学の協定校である順天大学に約1年の間、滞在しました。今思い返してみると軽い気持ちでの留学で、その分、戸惑いも多かったのですが、本当にたくさんのことを学んで帰ってきました。ただ食べ物が辛いだけで、建物の少し雰囲気が違うだけで、休日がちがうだけで、毎日が本当に不思議にあふれていました。私にとっては、韓国も、韓国人もまだまだ未知数です。しかし、「近くて遠い国」とも「近くて近い国」ともいえる韓国に対する自分なりの見解が少しはできたような気がします。そして、なんとか韓国での1年を終えられた、という感覚が、今の自分を作っているのではと思います。

日本人が1人だったということもあり、大学からは、様々な機会を与えてもらいました。日本からのお客さんを迎える手伝い、簡単な翻訳、大学職員向けの勉強会などで日本語を教える、3回のホームステイ、聖歌隊への参加……これらを通じて、自分がほんの少し成長したなと感じると、それに見合う新たな課題が来る、もしくは見つけに行く、その繰り返しだった気がします。その中で、日本人として意見を求められることが多く、自分の自国に対する知識の少なさ、理解不足に落ち込むことが多々ありました。しかし、大学や国際連携センターの先生方、そしてチューターなど、出会いに恵まれ、中学生から60代まで、様々な年代の人に会えたことは、大きな収穫だったと思っています。

やはり、一番の思い出は、友人と食堂でお昼ご飯を食べてから、コーヒーショップに行ってまたしゃべる、というお決まりのコースです。また、寮や韓国語の授業では、中国人・ベトナム人・アメリカ人などの友人ができました。寮は2人部屋でしたが、お風呂やトイレ、ベランダ、玄関等は共同だったため、4カ国6人のメンバーで部屋の共通のルールを作り、掃除当番などを行いました。言葉の問題はもちろん、シャワーの使い方、ゴミ出し一つをとっても、習慣の違いがあり、上手くいかず、喧嘩になったこともありましたが、今では笑い話です。休みの日に、中国人の友人と下手な韓国語で喋りながら屋台に行くと、屋台のおばさんから「もっと韓国語勉強しなさい」と怒られて (?)、ダメージを受けたこともありました。韓国人はもちろん、様々な国の人々にふれて、日本以外の国の人に対する変な気負い相当なくなったのではないかと思います。

こうやって留学を振り返るにあたって、楽しかったことを主に書いていますが、他にも、留学期間中に感じたことはたくさんあります。自分へのもどかしさ、恥ずかしさ、困惑、そして、涙が出るほどのありがたさ、達成感、などなどです。今はそれらの学んだことを、日本で、宮崎で、どれだけアウトプットできるか挑戦中です。そして、機会がある限り、今後も「韓国」に挑戦していきたいと考えています。

宮崎公立大学人文学部5年 黒木 哲史
留学先: Vancouver Island University ESL Academic Preparation 5 (カナダ)

英語をより深く学びたいと思ったり、英語力を伸ばしたいと考えている人なら誰でも留学の機会を考えたり、留学を夢に描いている人がいると思います。私は今回カナダ・バンクーバーアイランド大学で留学を行い、様々な経験や体験を得ることが出来ました。今回の報告により、新たな留学生を生み出し、より多くの人に世界へ羽ばたいてもらえれば幸いです。

私は2011年9月から12月末までの約4ヶ月間、カナダ・バンクーバーアイランド大学(以下VIU)のESLのクラスで英語を学びました。その留学を通して私が得た2つを紹介したいと思います。

まずは、様々な価値観や考え方を持っている人とのコミュニケーション技術や能力を、留学を通して得ることが出来ました。VIUは世界各国から様々な留学生が集まっており、彼らは独自の価値観や視野を持っていました。何事も自分の考えを第一と考え主張する国の人もいれば、何事も協力して励まし合って行動する国の人など、文化の違いによってコミュニケーション方法も異なっていました。しかし、自分の考えや意見を主張せず、受容しているままではいられません。日本人はよく、自分の考えを主張することが困難だと言われますが、口を閉じたままであるとこの人は何も考えていないと誤解を与えたり、会話に参加することさえ出来ません。いかにして相手の主張を受け入れ、自分の考えを表現し、意思疎通を図っていくのか。私は留学を通して日本人らしさを消し、円滑な意思疎通を図る技術や能力を得ることが出来ました。

次に、留学に対する決意や情熱を持つ大切さを学びました。私は、留学中は1言も日本語を話さず、英語のみを使用すると決意して留学を行いました。英語に囲まれた生活を送り、自身の英語力に磨きをかけるために留学を行うと決めたからであり、他の留学生も同じ考えを持って留学すると思っていました。しかし現実は異なっていました。自国の国の人とグループを作り、グループ内で自国の国の言葉を使う留学生は多く、日本人も例外ではありません。その中で英語を本気で学びたいと考えている留学生を見つけることができ、お互いを励まし合い切磋琢磨し、4ヶ月という短い期間でも十分英語力は磨けたと私は思っています。留学は金銭面においても、様々な面において家族や周りの人のサポートが必要です。決して一人で行うことはできません。現在留学を考えている人はなぜ留学を行うのか、留学から何を得たいのか本気で考え留学を行って欲しいと思います。

留学生活で得られたものを挙げるときりがありませんが、これも一重にこの留学生活を支えてくださった多くの方々のおかげです。今回留学を支えてくださった全ての方々に感謝の意を表すると同時に、これから留学に行く皆さんには、自分の目標を持って留学生活を楽しむこと、また留学に行くか迷っている皆さんには、状況が許す限り海外へ飛び出すことを強く推奨します。

宮崎大学教育文化学部 2年 満平 真心人
留学先: University of Otago Language Center (ニュージーランド)

私は、2011年9月1日から31日までの1ヵ月間オタゴ大学ランゲージセンターに短期留学をしました。ここでは、短期留学ではありましたが、私が海外生活を通して感じたことや学んだことについて紹介したいと思います。

まず、思ったことを言葉にすることの重要性を感じました。日本人はよく、間違えを恐れて英語で話すことを躊躇してしまう傾向にあると言われますが、留学先に渡った当初実際に私もその状況に陥りました。自分の心の中には伝えたいことがしっかりとあるのに、それを英語で上手く表現することが出来ず、何度も悔しい思いをしました。しかし、私が通っていたのは語学学校だったので、英語を母語としている生徒はおらず、英語力に差はあるものの自分なりの表現で自分の思いを伝えようとしている彼らの姿を見て感化され、積極的な発言が出来るようになりました。また、留学する以前は英語で話して相手に伝わらなかった時や相手が何を言っているのか分からなかった時、すぐに諦めてしまうことが多々あったのですが、留学を通して、「伝わるまで言う。」「分かるまで聞く。」という姿勢も身に付けることが出来ました。

次に、当然ながら海外生活がどういったものなのかを、肌で感じることが出来ました。ほとんどの家庭がユニットバスであったり、バスの乗り方が特殊であったりと、違いを挙げればきりが無いのですが、特に違いを感じたのは現地の人たちのコミュニケーション能力の高さでした。現地では「会話」が日本以上に生活の中で重要な役割を担っているように思えました。バスに乗るときや降りるときに「こんにちは」や「ありがとう」と運転手に言ったりしていたことなどから、そのことに気づきました。日本では「暗黙の了解」という言葉があるように、感情を必要以上に言葉に出さないことに美学があり、私が行ったニュージーランドではそれが全く逆であったため、初めてバスに乗ったとき衝撃を受けたのだと思いました。これは文化に根ざした違いなので、言葉数の少ない日本が悪いということではないのですが、思っていることを言葉に出して伝えることは素晴らしいことだと思いますし、自分もそうありたいと感じました。

ここまで、短いながらも私が留学を通して経験したことを述べてきましたが、最終的には「言葉に出す」ことに行き着くと感じました。今までとは全く違う環境に身を置いて生活をするわけですから、日頃自分の考えを主張するのが苦手な人にとっては、初めは非常に苦しいものになるとは思いますが、逆に「言葉に出す」ことに抵抗がなくなれば、広い視野で物事を見ることが出来るようになることを、私は身をもって経験しました。

最後に、もし留学をしたいという気持ちが少しでもあるという人がいれば、ぜひ積極的に挑戦して欲しいと思います。私は1ヶ月間だけの留学でしたが、人生観を大きく変えるだけの影響力があったと思いますし、英語の勉強により一層励むきっかけとなりました。半年や1年など長期間の留学が出来るのは学生の間だけだと思いますし、お金もかかりますがそれ以上の価値はあると思うので、機会があれば積極的に取り組んでみてください。もし、私の留学体験記が留学を考えている人たちの背中を押すことができたら幸いです。

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「エヴァーグリーンでの出会いによって見えてきたこと」
宮崎大学教育文化学部4年 立元 瑛
留学先: エヴァーグリーン州立大学 (アメリカ合衆国)

私は2009年9月から2010年6月まで、宮崎大学の交換留学制度を利用させていただいて、アメリカ・ワシントン州のオリンピアにあるエヴァーグリーン州立大学で10ヶ月間勉強していました。

交換留学の条件であるTOEFLの受験に始まり、さまざまな書類の提出、ビザの取得、エヴァーグリーンで受講する授業の選択や寮の申し込みなど、留学するためにはたくさんの作業がありましたが、そのどれもがいい経験となったように思います。初めてのアメリカ、初めての自炊生活、初めて出会う人々、何もかもが初めてで、今何をしなければならないのか、周りで何が起こっているのか、わかるようなわからないような……という状態からのスタートでした。

アメリカでの10ヶ月間は、5人のルームメイトと共に大学の寮に住んでいました。ルームメイトたちはハロウィンが近付くと「ジャック・ランターン (カボチャをくりぬいて作った置物) を作ろう!」と声をかけてくれたり、クリスマスの休暇前にはプレゼントを用意してくれたり、休暇で実家に帰省する前に寮に残る私に「何かあったらいつでも連絡してね」と抱きしめてくれたり、遅くまで宿題をしている私に “Good Luck!”と声をかけてくれたりと、些細なことでもとても心に残っています。

授業では、文学を通してアメリカの文化や歴史について考えました。わたしにとってはたくさんの宿題にめげてしまいそうになることもありましたが、学期末のプレゼンテーションが終わった後に先生方やクラスメイトに声をかけてもらうと、「よし、次も頑張るぞ!」という気持ちになれました。また、最後の学期のプレゼンテーションでは、自分が伝えたかったことをやっと英語で伝えられたと感じられました。

10ヶ月間本当にあっという間でした。楽しいことばかりではありませんでしたが、10ヶ月間をなんとか乗り切ることができたのは、やはり私のつたない英語でもなんとかして理解しようと耳を傾けてくれた人、「頑張れ、大丈夫!」と励ましてくれた人、落ち込んでいる時ににっこりとほほ笑みかけてくれた人、エヴァーグリーンで出会った人々だけではなく、日本からも私のことを応援してくださった方々がいてくださったからこそだと思います。また、留学してことにより自分の英語力を高め、異文化に対する理解を深められたことはもちろんのことですが、留学を通して留学する前よりも自分と向き合うことができるようになったように思います。自分がこれから何をしたいのか、それを実現するためには何をすべきなのか。まだまだ、今でも模索中ではありますが、宮崎大学での学生生活とエヴァーグリーンでの10ヶ月間を糧にして目標に向かって頑張っていきたいと思います。

「留学はチャンス!」
宮崎公立大学人文学部4年 小橋 彩
留学先: 蔚山大学校 (韓国)

私は2010年2月末から2011年1月の間、韓国・蔚山大学校で勉強しました。その留学を通して私が得たものを3つ紹介したいと思います。

まずは、「精神の通訳」という考え方です。それは、外国語学習の究極の目標は、その国と自国との意思疎通、理解を促すことであるという考えに基づいています。「あなた達が今後、通訳を頼まれる際は、‘話の通訳’ではなく‘精神の通訳’をしなければ、言語からくる誤解を生みかねない。読書ではなく日々の生活の中でしかわかりえないことこそ、その国の人の価値観であり、考えであり、精神だ」という先生の言葉を聞いて、「だから留学で学ぶ価値はこんなに大きいのだ」と実感。検定で高得点をとるための語学学習なら日本でもできますが、ことばに込められたその国の文化や精神は、生活して現地の人とたくさん触れ合って初めて学べたように思います。

次に得たものとして、「友」が挙げられます。私は留学中、「どん欲さ・向上心・吸収力」を常に意識して生活しました。日本語学科の友達と互いの言語学習を助けあったこと、英文科の友達と3, 4時間おしゃべりし続けたこと。卒業論文の調査で現地学生100人から韓国の英語教育に対する生の声を聞けたこと、通訳のアルバイトで知り合った方の家でホームステイできたこと。間違いを恐れずに話しかけて生まれたこれらの体験が、韓国文化や精神を学ぶうえで大きな助けになっただけでなく、物怖じしない力を養うことができました。おかげで、修了式の際に「友情賞」を受賞するほど。友情は‘勉強’‘努力’とは違い、相手がいて初めて成立できるものです。それまで送ってきた生活にも自信がもてました。

3つ目は、「情」です。これは、現地で学んだ多くのことの中でも特に印象的でした。友情、愛情、情熱、情緒……約1年間の留学生活の中で、何度もその熱さに驚き、その深さに感動しました。人の情けほど心にじんわり染みるものはありません。特に自分が落ち込んで弱気になっているときに見る笑顔は温かく、救いになります。これらの経験から、将来は自分の明るさや笑顔をもって人に元気を分ける仕事がしたいという考えがより強くなりました。さらにそこで韓国の方との関わりを多くもち、自分が韓国で受けてきた数多くの‘情’にお返しができればと思います。

留学生活で得られたものを挙げるときりがありませんが、これも一重にこの留学生活を支えてくださった多くの方々のおかげです。一年間支え続けてくださった全ての方々に感謝の意を表すると同時に、これから留学に行く皆さんには、自分の目標を持って留学生活を楽しむこと、また留学に行くかどうか迷っている皆さんには、状況が許す限り海外へ飛び出すことを強く推奨します。

「Great experiences」
九州保健福祉大学薬学部動物生命薬科学科4年 吉田 沙也子
留学先: ハワイ大学ヒロ校 (アメリカ合衆国)

私は2010年8月から2011年2月までの約6カ月間をハワイ島、ヒロにあるハワイ大学で過ごしました。語学留学でしたが英語だけでなく、ハワイ独自の文化や言語などがあり貴重な体験をすることができました。

留学期間中はESLクラスに主に参加しました。学期の始まる前のオリエンテーション期間にテストがあり、その成績によってクラス分けされます。ESLクラスはリスニング・スピーキング、グラマー、リーディング、ライティングの4クラスがあり、それぞれ週に2~3回ずつありました。クラス担当の先生方はみなさん英語を教えるプロフェッショナルなのでとても分かりやすく、楽しく学ぶことができました。英語を英語で学ぶのは最初少し難しく感じましたが、途中から英語を日本語で学ぶより理解しやすいことに気づき、より英語に対する理解が深まったように感じました。クラスには日本人以外に中国人、ロシア人、韓国人など様々な国から英語を学びに来ていて、授業をすごく真剣に受けている姿にとても刺激を受けました。また、授業以外の時間も一緒にご飯を食べたりして、色々な話をしました。

ハワイには海も山もたくさんあります。毎週末に学校が企画しているレジャーに参加することができ、海でカヤックに乗ったり、ボルケーノでサイクリングをしたりできました。中でも特に印象に残っているのが、船で沖に出て、イルカの群れと一緒に泳いだことです。ハワイでしかイルカと泳ぐことができないそうで、他ではできない体験でした。また、山での植樹ボランティアにも参加しました。

私は8月から12月までが1学期で、その間は学校の敷地内にある寮で過ごし、12月後半から2月までは学校近くにあるアパートで同じ留学プログラムで学校に通っていた友達2人と一部屋をシェアして暮しました。アパートで暮らしていた期間中、日本語クラスにアシスタントとして参加していました。また、私はヒロ市内にある動物園で週に2日ボランティア活動をしていました。動物園ではボランティアということでしたが、飼育員の行う作業を手伝わせていただけて、とても貴重な経験になりました。

6ヶ月というのは短く、あっという間に過ぎてしまいましたが、とても充実していました。今回留学したことで自分の視野がすごく広がったと思います。また、ハワイで学んだことは必ずこれからの人生にプラスになると思います。

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「留学=自文化理解」
宮崎公立大学人文学部4年 岡村好恵
留学先: 蘇州大学 (中国)

2008年9月から2009年8月までの一年間、私は宮崎公立大学公費派遣留学生として中国に行かせていただきました。私の滞在していた蘇州という町は、上海付近に位置し、現代化してゆく工場地帯やショッピングモールと、水郷や園林といった伝統的な中国が混在しているところです。私がここに滞在したのは、大学一年次と二年次の春休みに短期研修に参加して以来3回目となり、今では生まれ育った広島、大学生活の拠点となった宮崎に加えて第三の故郷となりました。

私の通っていた蘇州大学には留学生専門の学科があり、そこで毎日中国語で中国語の授業を受けていました。授業は午前中の必修科目、午後の選択科目から成っています。中国に来たにも関わらず、ここで中国人以外の様々な人々と交流できたことが、私の価値観を大きく変えてくれたと思います。私はもともと人見知りをするタイプではありませんが、人と関わることに対していい意味で“気軽”になれたと思います。留学というと、学生のイメージしかありませんでしたが、学校に通っている人は本当に様々でした。中国に駐在で来ている男性の奥さんが大勢いたほか、お仕事をしながら通う人、大学を途中でやめた人、退職後の人……など、自分が今まで関わったことがないのは、人の出身国についてだけでなくその人の境遇についても様々なのだと痛感しました。そして自分がいかに“普通に”、また学生として“貴重な”立場で、しかも公費というものすごい“好待遇”で留学しているのかもわかりました。

授業以外の活動としては、中学から続けているバドミントンを中国でも楽しむことができました。留学生バドミントン部に入部し、校内の大会には出場して賞をいただいただけでなく、運営にも携わることができ、とてもいい思い出となりました。バドミントンは、私にいつも素敵な出会いを与えてくれています。ここで出会えた人にインターンシップや校外でのバドミントンクラブを紹介してもらったり、バドミントン好きな女の子、ということで知らない留学生からたくさん声をかけられたりしました。その他には植樹や盲人学校等でのボランティア、日本語の先生、休み期間中の旅行・運動会や喉自慢・作文コンテストといった学校行事、中国全土で行われる留学生コンテストへの参加、戦争に関する捜査のお手伝い……と、様々なことに手を出した一年間となりました。しかし一番楽しかったのは、帰って来た時に寮のおばさんと話したり、道端で延々とタピオカミルクティを飲みながら友人と話したり、隣に座った知らない人と仲良くなったり、飲み会で他愛もない話をしたり、授業前に冗談を言い合ったり、洗濯(洗濯機は寮で共同)をしに行ったのに気づけば座り込んで話していたり……というような些細な日常でした。そしてそれは全部“話す”ことであり、人と関わることでした。

今はもう、帰国して半年以上になります。この春休みは、大学生になって初めて日本で過ごすこととなりました。そして就職活動をしながら中国を懐かしむ余裕もなくなっていました。大学の同級生はほとんど卒業してしまいましたが、留学のため休学した私はとり残された気分にもなります。でも私にとって留学とは、人生でやってみるべきことの最たるものの一つです。それは、こうして淋しい気持ちになった今でも、声を大にして言えます。様々なことが揺らぐ中でも、これだけは変わりません。異文化理解は自文化理解だ、と言いますが本当にその通りです。私はこの留学を通して、人、特に自分について考えました。留学は鈍感な私にもわかりやすく、周りと自分を見せてくれるものでした。たくさんの迷惑をかけながらも私の留学を成立させてくださった学校関係の方々、遠くでそして近くで支えてくれた友人たち、そしてすきなように自分の信じた道を貫かせてくれた家族に心から感謝しています。この想いを、今この日本で返し続けていきたいと思います。

「Precious time in Canada」
宮崎公立大学人文学部4年 池田典子
留学先: バンクーバーアイランド大学 (カナダ)

2009年8月末から約4ヵ月間、私はカナダのバンクーバー島にあるナナイモという町に滞在しました。ナナイモにはバンクーバー・アイランド大学(VIU)があり、私は大学附属のESLで、さまざまな国から来た留学生とともに1学期間勉強しました。VIUでは、語学だけでなく、さまざまな国の文化にも触れることができ、とても貴重な体験をさせていただきました。

ESLでは、AP5という、学部で勉強したい留学生のためのクラスに入り、ライティングやプレゼンテーション、ビジネス、文学など、さまざまなジャンルのものを英語で学びました。このクラスでは先生方の評価も厳しく、また、学んだことのないビジネスや環境問題、食糧危機などについての授業も多かったので、最初は授業・課題についていくのに必死でした。しかし、周りのクラスメートに助けてもらいながら、留学生活を楽しく充実したものにすることができました。クラスメートは、ほとんどが中国人で、他に日本人、インドネシア人、ロシア人、メキシコ人がいました。彼らと共に授業を受けることで、彼らの独自の宗教や文化などを学ぶことができ、カナダにいながらさまざまな国の文化や考え方の違いに触れることができました。さらに、私は日本で言語学を専攻していましたが、ほとんどのクラスメートがビジネスを専攻しており、彼らのビジネスや経済に関する知識の深さに驚かされました。彼らと共に学ぶことで、英語だけでなく、それ以外の勉強の必要性を強く感じました。今までは、英語「を」学びたいと思っていた私にとって、英語「で」何かを学ぶということはとても刺激的でした。国籍の違う学生と机を並べ、母語や文化が違う中で英語という言語を共有して学ぶという楽しさを知ることができ、本当に素晴らしい体験ができました。

クラス以外では、ホストファミリーに、イルミネーションの点灯式やボーリング、劇場などに連れて行ってもらい、カナダの生活を満喫することができました。彼らには本当の家族のように接していただき、数日の観光では決して体験できないような、カナダの家庭料理やクリスマス、バースデイパーティなど、カナダの日常生活を詳しく知ることができ、本当に感謝しています。

カナダへの留学は4ヵ月ということで、非常に短い期間ではありましたが、数年をぎゅっと凝縮したような、とても充実した時間でした。今回の留学で学んだことを、これからの自分の人生に活かし、英語力、国際理解をさらに深めていこうと思います。

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「視野を世界へ」(2009年6月)
宮崎公立大学3年 元日田(がんにちだ)のぞみ

夢と期待を胸いっぱいに膨らませて、私のカナダ留学は始まりました。私は去年、カナダ西岸のバンクーバー島のナナイモという町に滞在しながら、大学附属の語学学校に通いました。そこで過ごした時間は本当に貴重で、様々な新しい体験を通して多くのことを学べました。

まず、語学学校では、「英語圏の大学でも通用する英語やスキルを身に付ける」ことを目的としたアカデミック準備コースに在籍しました。1クラスあたり17人程度の少人数制で、私のクラスには、中国、トルコ、韓国、サウジアラビア、ベトナム、モロッコなど様々な国からの留学生がいました。学期を通して、差別、人権などを主なテーマとして、実際にナチスドイツの時代から、現代のニュースまで取り扱い、この問題を背景にした映画やドキュメンタリーなどの映像や、書籍や新聞記事など文献など、幅広いメディアを通して学習を進め、プレゼンテーションを行うことによってその成果を発表するという流れでした。このように、調査や情報の理解を全て英語で行うという環境に次第に慣れていき、またクラスメイトとの話し合いやディスカッションを通して毎回色々な国の人の多彩な考えを聞けて新鮮でした。

また、授業以外に、日本語を教えるボランティアや大学で開講されるヨガ教室、週末の文化体験ツアーなど、常に課外活動の情報には目を向けて積極的に参加していきました。特に、日本語を教えるという経験では多くのことを学びました。大学内で開かれている日本語の授業のアシスタントをしたり、カナダ人の学生とのプライベートレッスンを行ったりしていくうちに、自分の母国語である日本語の「しくみ」に興味を持つとともに、「教える」ということの難しさを知りました。これらのアクティビティに参加したことで、多くのカナダ人に出会うことができ、カナダの文化・習慣を学ぶという面でも、私が日本のことを伝えるという面でも、双方向に交流を深めることができました。

そして、今まで私があまり知らなかった国の人々と交流する中で、彼らの国の文化や言語に触れ、興味を持つようになりました。特に、数多くできた友達の中でも、中国や韓国からの留学生とは親しくなることができました。それは「ことばの力」だと思っています。私は一年次から中国語と韓国語を履修していたので、中国人に初めて会った時は中国語で自己紹介をしたり、「明日は韓国人にこの韓国語を使ってみよう」と挑戦したりしていました。たどたどしい私の片言なことばでしたが、彼らはいつも喜んで歓迎し、お互いが英語で話す時とは違った「母国語が持つあたたかさ」を感じることができました。

英語を学びたい、カナダでの生活で文化や習慣を体験したい、という帰国前の期待以上に、色々な国と多様な文化が融合したカナダの地で自分とは異なる多くの人と出会い、日々刺激を受け、充実した生活を過ごすことができました。カナダを離れたこれからもカナダで出会った人々とのつながりを大切にし、メールや手紙などを通して異文化交流を続けていくとともに、大きく視野が広がった今、自分が得たことを発信し、日本で自分ができることを見つけて積極的に挑戦していきたいです。

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「カナダで見た世界」(2008年7月)
宮崎公立大学人文学部4年 淵田春香

私は、カナダのブリティッシュ・コロンビア州にあるバンクーバー島のナナイモという小さな町に4ヶ月間、現地の大学に通いながら滞在した。その短い期間で私の視野は世界へ広がり、世界に友達ができた。

4ヶ月間、私はホストマザーのOonaghと彼女の23歳の娘Kattyと3人で暮らし、その中で本当に「生きた英語」を学んだ。TOEICで使うような難しい単語は勉強しているのに、鍋やまな板、料理やその材料など、生活に必要なものを案外知らない事に気づいた。また、よく使うフレーズやスラングなど、相手とのコミュニケーションの中で口語表現を学んだ。

その地での生活リズムが作れたのもよかったと思う。旅行とは違い、そこの良い点も悪い点も落ち着いてみることができ、人との関係もより深い関係を作る事ができる。私は特にOonaghと仲がよく、一緒に買い物や料理をした。彼女は私を一人の友達として、とてもよくしてくれた。歳は私の実の母親よりも上だったが、シングルマザーで、彼女の友達の事や悩み、恋の話もしてくれた。同時に私の話もよく聞いてくれ、私がうまく表現できなくても辛抱強く聞き、正しい英語を話すよう手伝ってくれた。私は大学ではESL (英語を第二言語として学ぶ人達のためのクラス) に通っていたため、彼女やその友達からネイティブとの会話の機会を多くもらった。

大学では、ESLのクラスで多くを得た。スペイン、サウジアラビア、トルコ、中国、台湾、韓国、様々な国から来た留学生がいて、私のクラスは17人で日本人は2人だけだった。もちろん授業ややりとりは全て英語なので、お互いの母国語は違うのに、英語でその人と話せることがなんだか不思議だった。もちろん第二言語同士の会話のため、ネイティブと話す時のように相手が言いたいことを汲み取り助けてくれるという状況は多くはない。だから難しい文法を使うより、簡単な言葉でもコミュニケーションを増やす事、どうにかして相手に伝えようとする姿勢が大事だった。時には冗談を言ったり、一緒に宿題をしたり、悩みの相談に乗ったりした。第二言語学習者同士だからこそ辛い状況も分かり合えた。英語は英語圏の文化を学ぶための物だと思っていたが、英語のお陰で英語圏以外の人と分かり合い、世界に友達ができ、お互いの文化を理解することもできた。

英語を学ぶことは世界を学ぶことだと言っても大げさではないのではないだろうか。日本だけではなく、世界の多くの人が第二言語として英語を学習している。そのお陰で、私は1つの外国語を学ぶだけで多くの国のことを学べた。もちろん、英語以外の言語を学ぶことにも大きな意味はある。いずれにせよ、日本語以外の言語を学ぶことで世界に自分の足を伸ばせるのだ。カナダで出会った友達やホストマザーとは今でも連絡を取っている。この体験とカナダでの出会いは私の人生の中で大きな財産となった。